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ノロウイルスのルーツとその感染実態を探る!

ノロウイルスの元祖は、「小型球形ウイルス」

1968年にアメリカ合衆国オハイオ州にあるノーウォーク小学校で原因不明の 下痢症の集団発生がありました。当時の検査法を駆使して原因を究明しましたが、 原因物質はよくわかりませんでした。その4年後の1972年になって患者の糞便を電子顕微鏡で観察した結果、それまでに見つかっていなかったウイルスらしい粒子が発見されました。この粒子は、非常に小さく、球形をしていたので、当時は、その形から「小型球形ウイルス」と呼ばれていました。

ノロウイルスによる「食中毒」の実態

ノロウイルスが食中毒の原因物質の一つであることは、今でこそ、毎日のニュース や新聞記事でよく耳にします。しかし、1996年になるまでは、食中毒の原因物質として ウイルスそのものが認知されていませんでした。

ウイルスによる食中毒統計が取られるようになったのは1997年からで、当時は「小型球形ウイルス」として集計されていました。今では、「ノロウイルスによる食中毒」として集計されています。食中毒であるという判定は、食品衛生法に基づいて行われており、ここ数年は、ノロウイルスによる食中毒が「事件数」、「患者数」ともに食中毒の首位を占めています。

ノロウイルスによる「感染性胃腸炎」の実態

我が国では、国内で発生する感染症の実態を把握する手段が、1999年4月1日から大きく変わりました。その手段は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」です。この法律は、省略して「感染症法」と呼ばれています。感染症は、この法律の第6条に基づいて危険性が高い順に一類から五類に分類されています。

原因の大半がノロウイルスであると推測されています「感染性胃腸炎」は、「五類定点把握疾患」に区分されており、毎週、全国約3,000カ所の小児科医療機関(小児科定点)から患者数が報告され、厚労省で集計されています。この集計によりますと、冬季における患者数は、多い年ですと、1定点、1週間あたり、20人以上の患者数が報告されています。

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