- 2025-10-02 (木)
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出前講座2025年8月31日
***北里環境科学センターと日本銅センターは、北里大学病院などにおいて、銅による殺菌効果やウイルス除去効果を検証するなどの共同研究を行っています***
2025年8月31日、さがみっこ学び応援隊の活動に参加している相模原みのり塾の中学生のみなさんを対象に、2回目の出前講座を実施しました。
今回の講座も、北里環境科学センターと日本銅センターによる共同開催で「銅博士になろう!」をテーマに、「栄養素としての銅」と「銅のリサイクル」について学びました。
【栄養素としての銅】
前半の講義では、生命活動を維持するために必要な栄養素のひとつである「銅」について学びました。
貧血を防ぐには鉄が大切ですが、実は銅も欠かせません。貧血は、血液中の「ヘモグロビン」という物質が不足することで起こります。ヘモグロビンは肺から全身に酸素を運び、同時に二酸化炭素を体外へ排出する重要な役割を持っています。
ヘモグロビンは、タンパク質に鉄が結びつくことで作られます。しかし、食事からとれる鉄だけでは十分ではないため、体の中では鉄を繰り返しリサイクルして使っています。
この鉄のリサイクルを助けているのが銅です。銅イオンが鉄の働きをサポートすることで、体は鉄を無駄なく使うことができ、銅はとても大切な役割を果たしています。
銅が多く含まれる食品は、牡蠣やレバー、穀類、豆類、木の実などがございます。
【銅のリサイクル】
後半の講義では、資源としての銅の生産とリサイクルについて学びました。
銅の生産量は南米チリが世界一です。そこでは、銅鉱山から採掘された黄銅鉱は銅の含有率を約30%程度にまで高めた銅精鉱に精錬されますが、この工程において、地球温暖化の要因となる二酸化炭素や大気汚染の原因となる亜硫酸ガスの排出を抑制するために様々な環境対策技術が導入されています。
日本では、国内の銅鉱山はすべて閉鎖され銅の生産はされていないので、このチリからの輸入にほとんどを依存しています。そのためリサイクルも重要となり、回収業者によって集められた銅のうち原料としてリサイクルされた銅の量は8割以上にもなっています。
このように銅は、産出国での生産から消費国でのリサイクルに至るまで、環境負荷低減のための技術や活動に支えられ利用されており、環境保護の視点からも着目すべき資源だということを改めて認識することができました。
相模原みのり塾の生徒・講師の皆さま、講座にご参加いただきありがとうございました!
また、日本銅センターの皆さまには、今回もご協力いただき心から感謝申し上げます。
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